こちらの小刀は仙台の刃物店「中山商店」さんのオリジナル商品です。
「信作 三日月刀」とあり中山商店さんの屋号の
刻印もあります。
詳しい材質やどこの鍛冶屋さんが打ったのか、
また三日月刀の名前の由来等は残念なことに不明
なのですが、この小刀の誕生経緯は判っております
ので書きたいと思います。
この小刀は仙台市内の中学校の美術を教える先生
のアイディアで誕生したものだそうです。
子供達にちゃんとした刃物の使い方を教えたい、
手道具の素晴らしさを教えたいという考えに共鳴され
た中山商店のご主人が作られたのがこの小刀だっ
たのです。
ただしなんといっても学校で使う教材ですからそん
なに高価な物にはできない、でもだからといって半端
な小刀を子供達に使わせたくはないということで、材
料選びデザインにも苦労されたようです。
そして完成したのがこの「三日月刀」。
とても学校の教材用の小刀には見えないでしょ。
この小刀を使った授業が始まったのですが間もなく
中止となってしまったそうです。
父兄から“授業で刃物を使うのはどうなのか。”とい
うクレームがはいりダメになったとか。
時代なのですかね。
子供に刃物の正しい使い方すら教えようとしない親。
でも日本の製造業の一番の根っこというのはこういった手道具だと思うのですが。
今の子供達は肥後守やナイフを使って鉛筆さえ削れないのでは?
どこかおかしいと思うのは私だけですかね?
刃先のアップです。
いい小刀でしょう!
キチッと砥ぎが入っているとすごい切れ
ますよ。
ほんと残念ですよね。
(ちなみに中山商店さんにもこの小刀の
在庫はもはや無いそうです。それもまた
残念ですよね。)