鍔に造詣が深いSさんと先日お会いした時、
「ネットオークションに面白い鍔が出品されているよ、桜の模様がはいった大鍔で古刀匠鍔かもしれない。鉄蔵さん、私の代わりに入札してみてくれない。」
「えっ、いいですよ。」
と、返事はしたのはいいのですが、その後具体的な連絡はこず、いいのかなと思っていたのですが、入札終了日に一応オークションをのぞいてみると、それらしい鍔がありましたありました、画像だけですからなんとも言えない感じでしたが古そうと言えば古そうな鍔でした。
締め切りの30分前にSさんに電話してみると、
「えっ、その鍔諦めていたのよ。よかったら○万円まで入札してくれないかな。」
結局、他の入札者と多少競りましたがなんとか落札、どんな鍔が来るかなと楽しみにしていたのですが。
到着した鍔を見てびっくり!直径が10cm超え、重さも200g近くある大鍔ではないですか、その存在感たるや予想以上、しかもけっこう時代もありそう。
この鍔けっこうすごいかも、オオバケするかもという予感のもとSさんにお会いして鍔をお渡ししたのですが。
「この鍔掘り出し物だよ、ネットオークションにこんなの出てくるものなんだね。一足早 いお年玉もらったよ。本当にうけとっていい。」
と、大喜び。
さらに詳しく説明をしていただくと、
・間違いなく古刀匠鍔で時代は南北朝はある。
・これだけの大鍔はとにかく珍しい(特に10cmを超えるものはめったにない。)
・右下に刀の切り込み傷があり、実戦をくぐりぬけてきた鍔であろう。
・東京の刀剣店の店頭に並んだら30万円のプライスがついてもおかしくない。
(これには私がびっくり。)
現在の持ち主のSさんから写真掲載の許可をいただきましたのでこの鍔紹介したいと思います。
この刻印のようなのは領主
が足軽とかに貸し与えた、
「お貸し刀」についていた鍔
のマークのようなものでは
ないかとのことです。
今回、一時的にせよこれだけの名品が私の手元にあったのですからまさに眼福。
ついでにSさんからは古刀匠鍔の特徴を色々と教えていただき勉強になったなぁ~。
ついつい柳の下のどじょうを狙ってネットオークションを見てしまう私でした。