僕のナイフ展実行委員のTさん宅を本日訪問。
Tさんはナイフ展に作品も出品しているアマチュアのナイフメーカーです。
今回はそんなTさんのナイフ工房を拝見させていただくのと、実はナイフ展の時に
鉈の修理をお願いしておりそれが出来上がったとの連絡をいただいていましたので
それも取りに御伺いしたわけです。
鉈はちょっと前に入手した物ですが、かなりハードに使っていたもののようで刃こ
ぼれ有りのハンドルもけっこうボロボロ、峰はハンマーみたいなものでガンガン叩い
て使用していたのでしょう、ボコボコです。
修理前の画像を残していなかったのですが、まずは修理後の画像を!
『重廣』の銘があります。
鉈の下に転がっているのが元々つい
ていたハンドルです。
ハンドルを付け替えていただき刃こぼ
れを修正、見事に綺麗になっています。
いやほんといい仕事しています。
この鉈ですが会津鍛冶の鉈ということ
で購入したのですが、調べてみますと
村松貞次郎の「鍛冶の旅」という本に
重廣の記載がありました。
それによると重廣は若林重房系の鍛冶
で四代が昭和十五年頃廃業とあります。
この記載通りだとすると70~80年も前
の鉈ということになります。
確かに使い込んだ古い感じはするので
すが、昭和初期の鉈と言われるとそんなに前なの?という感じもします。
現状ではこれ以上の情報は無いのですが、でも個人的には非常にいい感じの
鉈です、現状でも充分に使用できる状態です。
ちなみに刃についてはTさんから
「鉄蔵さんに最後の楽しみを残しておいたから、天然砥石持っているでしょ。最後
の刃付けはしてね、刃紋もちゃんとでるはずだから。」
ハイ解りました、巣板でキッチリ研がせていただきます。
そしてTさんのナイフ工房のご紹介です。
あのラブレスも御愛用だっ
たバーキングマシン、しかも
一部使い易いように改造し
てあるという。
このミーリングマシンかなり本格的な
もので重量なんと180キロです。
こちらも所々手を加えています。
ボール盤が3台も!
かなり整然とした工房で
す。
材料や工具がキッチリと
整理されていました。
壁にはナイフのマスター
(ナイフ製作時の型紙のよ
うなもの。)が各種かけられ
ていますが、こちらはアル
ミ製の自作品です。
さらには製作途中のナイ
フもちらほらと。
すごいでしょう。
アマチュアメーカーでこれ
だけの設備を揃えている方
はそうそういないかも。
私も昔何本かナイフメーキングをしたことがありますが、この工房はすごい。
作品の出来もすごいのですが工房もすごいです。