以前ネットオークションで刀を入手、錆び身だったので研ぎをお願いしているという
ことをブログに書きました。
研ぎをお願いしたのは、またまた刀匠の信正さんだったのですが、先日出来上がり
の連絡が入りましたので、昨日受け取りにお伺いいたしました。
刃長72.8cm、反り1.9cmの太刀です。
居合いの稽古用に使うつもりでしたので研ぎは居合い研ぎでおねがいしました。
中砥までの研磨です。
相当研ぎ減りしていたようで切っ先とかは辛うじて焼き刃が残っている状態で、全体
を見ても刃紋が細直刃状態で残っている感じ、朽ちこみも取りきれず所々残り、美術
刀として見ると厳しい状態。
特に切っ先は相当減って細くなっている感じです。
ただこの刀、ただ者ではないようでして、研ぎ減り状態からいっても実戦経験者で
しょうし峰には受け傷、誉傷も有ります。
しかも手元のほうは焼き落としになっているようです。
研いでみての信正さんの感想なのですが、
「間違いなく古刀です、備前物でしょう、時代は古く応永あたりまで上がるかもしれ
せん。銘の真偽は判りません、ただ本物だったら100万はいきますからね。昔だっ
たら正真で通ったかもしれませんね。」
ということで茎の画像です。
すごい大銘でしょ。
『備州長船住倫光』
樋がかき通してあり、なんとなく銘が正真に見えてくるから、あら不思議。
まあ居合いの稽古用に求めた刀だからどちらでもいいか、研ぎ減っているのも時代
を考えたらしかたのないこと。
さて次の段階は拵え、付いている拵えはガタつきがあり使えそうもないので新しく
しなければなりません。
ただし金具はなかなか良く、ハバキはなんと銀無垢、縁と頭・目貫は一作物でこれ
らは流用できます。
この刀が居合い稽古デビューできるのはもうちょっと先になりそうです。