法華三郎信房の刀

 いよいよお盆です。
 私の方はというと実家への帰省もすでに終え、墓参り親戚まわりとバタバタと終わらせ今日仙台に戻ってきました。(けっこう強行軍でした。)
 そして早くも明日から仕事です。
 
 さて今回紹介する刀は法華三郎信房の刀です。
 宮城県の郷土刀ですね。
 刃長67.4㎝、反り1.4㎝。
 
 数年ほど前に入手したのですが、入手先がなんとリサイクルショップ。
 骨董品も置いているショップだったのですが、入手時は鞘はガタガタ、刀身は油さび状になって、しかも刃引きされているという、ちょっとちょっとこれはという状態でした。
 入手して即、砥ぎにだし白鞘も新調、なかなか立派になって戻ってきました。
 
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 ただこの刀の詳細が今一歩よく分からず、先日刀匠の信正さんに見ていただき
ました、なんといっても信正さんの師匠は八代法華三郎信房氏ですから。
 
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 さて見ていただいた結果、この刀は八代法華三郎氏のお父上の作刀されたもの
のようです。
 時代的にはおそらく戦中戦前の刀で、当時の状況からいくと軍刀として作られた刀
かもしれないのですが、状態的には非常に良いそうです。
 というのが、当時はお弟子さんが沢山いてそれこそ軍刀の量産をしていたそうなの
ですが、特に切っ先付近とかに鍛え傷が見られる物が多々あったそうです。
 その点この刀は目だった傷もなく良い状態だとのことです。
 さらにびっくりしたのがこの刀についているハバキ。
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 信正さんはハバキを一瞥して、
 「あっ、このハバキは羽川さんのですね。」
 多賀城市在住の金工師羽川さんの作だとすぐ分かったようです。
 羽川さんのハバキはヤスリのかけ方に特徴がありすぐ分かるそうなのですが、そ
れでもハバキを見るだけで作者が分かるというのはすごいですね。
 
 この刀、私が入手した時はけっこうボロボロでしたが、元々はハバキも良いもの
を使用したりして大切にされていたのではと思えてきました。
 それが持ち主が変わったりして、ボロボロになり私のもとにやってきたのかなという
気がします。
 「法華三郎信房」、郷土刀らしくハバキも地元の金工師の作、砥ぎも白鞘も仙台の
方によるものでまさに“MADE IN 宮城”の刀です。
 大切に伝えていきたい刀です。