「鍛冶の旅」村松貞次郎

 本を整理していたらこんな本が出てきました。
 「鍛冶の旅」村松貞次郎著。
 
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 懐かしいです、かれこれ10年以上前に購入した本です。
 当時はナイフに興味があり、鍛造刃物はそれほど興味は無かったのですがなぜ
かこの本を購入してました。
 たしか白鞘友の会のSさんに薦められたような気がします。
 昭和六十年出版の本ですからもう三十年近く前の本ですが、購入当時ですら書店
の店頭には在庫がまったく無く、出版社に連絡したところ、
 “カバー無しの本でよければ在庫があります。”
 とのことで、それでもいいやと購入したのを思い出しました。
 購入当時はそれほど熱心に読んでもいなかったのですが、今回改めて手に取って
みるとなかなかの本ですね。
 著者の村松貞次郎さんは建築史家とのことですが和式刃物に造詣が深い方のよ
うでこの他にも「道具曼荼羅」という本もだしており、こちらは道具の写真集といった
感がある本です。
 
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 「鍛冶の旅」は昭和五十年代の日本各地の鍛冶を訪ね歩いての紹介書のような
本ですが、長谷川幸三郎さんや碓氷健吾さんがバリバリの現役鍛冶で玄翁鍛冶の
馬場政行さんが若手のホープということですから年代を感じますね。
 この本を改めて読みかえしてみると各地の鍛冶のバックボーンのようなものを感じ
とることができます。
 現在この本で紹介されている方々の小刀を入手しようとすると非常に困難ですよ
ね、既に亡くなられている方が多く、なんといっても道具ですから使われて消費され
ているものが多いのでは?
 私が小刀を本格的に集め始めたのはほんとここ数年のことなのです、残念なのが
この本を購入した時くらいから小刀に興味をもっていたら相当良い物が入手できた
のではと思います。
 すばらしい鍛冶屋さんが年々減っていくのを目にするにつけ本当に残念 
 
 碓氷健吾さんが先月逝去されたそうです。また一人偉大な鍛冶職人が亡くなって
しまいました。合掌。