宮野鉄之助の小刀は分からないことだらけとブログにのせたところ、白鞘友の会事務局のSさんから色々と情報をいただきました。(わざわざ封書で資料を送っていただきありがとうございます。)
なんとSさん今回私が入手しました「物外」の小刀もお持ちとのこと、しかも宮野さん本人からいただいたということでビックリです。(宮野さんとは二度ほどお会いしているとのことでした。)
以下にSさん情報を載せます。
まず「物外」の読みですが『ぶつげ』と宮野さん本人はおっしゃっていたそうです。
その読みからいくと「物外」の意味は武田物外の人物説も否定できませんが、宮野
さんは色々な禅語から小刀の銘を取る事がお好きだったようで、これも禅語の物外から取ったのではということでした。
『物外』俗世間の外の意の禅語
次に使用されている鋼の「準玉鋼」とはなんぞやということですが。
①玉鋼砂鉄から古来の方法で製作された鋼。(極論ですが)
②準玉鋼玉鋼から作られた鋼を鍛冶が炉でおろし「鋼」を再生したもの。
因みに①の鋼を操作できる鍛冶のことを「大鍛冶」、②のような鍛冶のことを「小鍛冶」と言い、②の方法を「かんなおろし」というのだそうです。
ついでにSさんが現在所有している宮野さんの刃物は、
①「花観半開」 小刀(玉)
②「海安河清」 小刀(玉)
③「残夢」 小刀(玉)
④「不失花」 小刀(玉)
⑤「善」シリーズ「月」 小刀(準玉)
⑥「善」シリーズ「花」 小刀(準玉)
⑦「弥生」 小刀(準玉)
⑧「酒八仙」 繰小刀(準玉)
⑨「物外」 小刀(準玉) 前述のもの。
⑩「花観半開 影」 小刀(準玉)①の影鍛ち。
⑪「残夢 影」 小刀(準玉)③の影鍛ち。
⑫「海安河清 影」 小刀(準玉)②の影鍛ち。
⑬「酒八仙」 槍鉋(玉)東大寺仁王像修復記念限定40本の内1本。
⑭銘無し 槍鉋(準玉)
⑮「未あず」 茶釜の鉄輪(玉)玉鋼12回鍛え。
プラス鋸が3枚ほどだそうです。
なんつうコレクションなんでしょう、凄いですね。
Sさんべつに宮野さん専門に集めているわけではなくこの他にも色々と小刀、鉋
や砥石、その他鍛造刃物をたくさんたくさんお持ちとのことビックリです。
今度ぜひぜひ拝見させてください。