重道の小刀

 今日は会社を休みました、代休が溜まっており休めコールがはいりましたので、まあ金曜日なら大丈夫だろうと今日はお休み。
 午前中はちょっと用事を済ませ、さて午後はどうしよう、やはりあれですか
 先日入手した重道の小刀の手入れを。
 入手時の状態は、けっこう赤錆がでており、また出所が漆屋さんとのことで、本体
がちょこちょことくっついていたりしてお世辞にもきれいな状態ではなかったので
すが、この小刀を見て家の奥さんが、
 「こんな汚い物にお金だすなんて信じられない。」
 確かに仰るとおり数年前でしたら私もそう思っていました。
 でもねこの小刀、会津の重道なのよ、めったにお目にかかれない品なのよ。
 私に言わせりゃビトンだシャネルだとブランド品にお金出すほうが解らんわ。(なん
ことは本人には言えませんが。)
 
 まずは錆落とし、ちょっと強引ですがサビトールとワイヤーブラシで錆を掻き落とします。
 あんまりやり過ぎると銀の地肌がでてしまいますので要注意です。
 そして次は砥ぎ、刃こぼれとかはないですが実用品として使われていたわけです
からそんなにきれいな状態ではないです、人造砥石の粗砥から始まって中砥、仕上げは天然砥石を使用して完成。
 砥いでの感想ですが、刃の硬度が高い部分があるのでしょうか?砥いでて細かい
刃こぼれのような感じになる部分がありました、しかし全体的にはそれほど砥ぎにく
感じではないです。
 ただ私は砥ぎはあんまり得意ではないですので、もうちょっと数をこなして慣れが
必要ですね。
 
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 長さが24.5㎝もありごついという感じで迫力がある小刀です。
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 刻印が裏に二箇所、表には刻印が一つと重道の切り銘があります。
 刻印は不鮮明で判読不能、赤い部分はたぶん漆だと思います。
 良い切り銘ですよね。
 会津の日下部重道については、先日購入しました「続・日本の大工道具職人」と
いう本にのっていました。
 会津では有名な刀匠で四代にわたり刀を鍛え続けた家系です、戦後は大工道具
や包丁などを鍛っていたようです。
 この小刀は四代目の作ということになりますが、他の会津の鍛冶と同様、重道も
四代目で廃業しているようです。