今回紹介する鍔の前所有者は、昨年の震災で家を津波で流された方です。
私も跡片付けのお手伝いをしたのですが本当に家はコンクリートの土台しか無いのですそしてその辺りを掘ると収集されていた古銭や鍔がぽつりぽつりと出てきました。
ご本人はさぞかし無念の思いだったのでしょう、私が知っている限りでも相当な名品が
ありましたから。
今回の鍔はそんな津波で流されるもなんとか助けだされた品です。
一度海水に浸かり、土に埋もれていたのでちょっと状態は良くないですが気長に手
入れをすればよくなると思います。
美術的な価値はそれほど無いが、資料的な価値は高いということでした。
時代は古く安土桃山より上がるそうです。
この鍔のポイントは櫃の形だそうです、このように櫃の形が細身なのが古い鍔の特徴
の一つなのだそうです。
無骨な山銅の鍔ですが(しかもけっこう傷だらけ)、400年以上前の品と思うと感慨深い
ものがありますね。
前の所有者の方は、
「この鍔、研究用に買ったんだよね、買った時は確か5~6万したんだよ。」
鍔の勉強用資料として持っていたらいいと大変安い価格で譲っていただきました。