以前ブログに拵え付きの錆身を手に入れたということを書きましたが、その段階では鍔には銘がはいっているが錆の為、なんと刻まれているか判りません。
とにかくこの鍔の錆を落として銘が判らないものかとやってみました。
代替品として使用したのがナイフのハンドル材として大分昔に購入していた「オイルドボーン」。(動物の骨にオイルを染み込ませた物で経年変化でいい飴色になっていました。)
このオイルドボーンで大きな錆をコリコリを擦るとなかなか良い感じで錆を落とせ、その後は真ちゅうのワイヤーブラシで細かい錆を落としてみました。
そうすると銘が出てきたのです、どれどれと確認すると、
「清近」
なに!「清近」、どっかで聞いたことがあるような。
早速調べてみると有りました、江戸時代の仙台を代表する鍔工で塩釜に在住して
いたとのこと。
例の錆身入りの拵えにこの鍔が付いていたということは、やはりこの刀の元々の
持ち主は伊達藩ゆかりの武士、だったような気がするのですが。
縦77mm、横74mm、厚さが3.4mm(薄手です)。
鉄の鍛えはけっこう荒いような気がします。
櫃に銅が埋められていますが、錆を落とす際、銅部分の時代まで落としてしまい
ピカピカにしてしまいました。(だめじゃん)
清近の鍔は写真でしか見たことがなかったので、現物をこのように偶然にも入手
できたのは私的にはラッキーでした。