水心子正盛の小刀。

 今週11日火曜日、お昼休み時にアルバイトの人から、

 「鉄蔵さん、今日NHKのプロフェッショナルっていう番組で、刀工の吉原義人って

人の番組やるみたいですよ。」

 「えっ!ほんと見てみる、見てみる。」

 10時半からということでしたので、10時25分にはテレビの前に座りしっかり見せて

いただきました。

 やはり無鑑査の刀匠というのはすごいですね。

 一振り鍛えるのに4カ月、途中の土置きの時などは、納得がいかなければ初めから

やり直し、とにかくカンコンカンコン叩いていくと形が出来上がっていくその工程は

凄いなという感想しかありません。

 そして出来上がったのが丁子乱れの刀。

 画面からも分かるその見事な出来にため息がでました。

 思わずお値段どのくらいで買えるのかとネット検索しましたら、300~400万円

とでました。

 まあその内現物を拝見する機会があればいいなぁと思っています。

 吉原さんは78歳のようですが、後継者を育成することにすごい力をいれているよう

です。

 お弟子さんが多数、しかし後継者の息子さん(吉原義一さん)を病気で亡くしている

ようで、息子さんも天才肌の刀工だったということでしたので非常に残念なことです。

 現在はお孫さんも鍛冶場に入っているようですので吉原刀工直系の後継者はいらっし

ゃるということですね。

 いい番組を見ることができました。

 

 そして今回の小刀は「水心子正盛」の小刀です。

 こちらの鍛冶屋さんも刀工の系譜の鍛冶屋さんですね。

 もともと水心子正盛に興味を持った理由は、刃物屋さんの店頭で水心子正盛の小刀

を見る機会があり、どんな鍛冶屋さんなのかなと調べたのがきっかけです。

 江戸鍛冶だったようですが、現在はさいたま市に”工房あんと゛を構えている加藤

友彦さんが水心子正盛の銘を継承して主に包丁を作っているようです。

 それで加藤さんにメールと電話で小刀のことを色々と聞いてみたわけなのですが、

なんと!なんとですよ!フルオーダーで小刀を作っていただくことになりました。

 それが先日完成。

 オーダーメイドで小刀をお願いするのは今回初めて、テンション上がりました。

 

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 鋼は青紙2号、地金は純鉄を使用とのことです。

 銘の上にJAと刻印がありますが、Jは純鉄、Aは青紙の意味だそうです。

 今回はメールと電話でのやり取りで色々と相談しながらのオーダーメイドとなり

非常に貴重な経験をさせていただきました。

 加藤さんありがとうございました。

 このオーダーメイドってけっこうクセになりそうです、もう1本はお願いしようと

思っています。

 さて、このオーダーのきっかけとなった刃物屋さんの店頭にあった小刀ですが、

そちらも購入しておりまして、そちらのご紹介は後日。

 色々と素性が分かり面白いですよ。