伝家の宝刀。

 以前叔父の脇差の研ぎを刀匠の早坂さんにお願いしていたのですが、
金曜日に“研ぎ上がりました。”と連絡をいただきました。
 早速本日、叔父と二人で早坂さんのところに引取りにお伺いしました。
 
 叔父の家に寄り私の車に乗せて国道4号線をひたすら北へ、今日も宮城県地方は暑いです、道路に所々表示されている気温は32度。
 アチチです。
 車中の叔父はやはり家伝の刀が研ぎあがったのが嬉しいらしくいつもより饒舌、一方の私は、
 “研ぎあがったとは言え無銘の脇差だしなぁ、ハバキも錆身にくっついていたし、切っ先は欠けていたし、けっこう錆び錆びだったしあまり期待できないよな。現物見てがっかりされるといやだな。”
 と、イマイチな感じ。
 しかも暑さのせいかボウッと運転していたのか道を間違えるという失態
をしでかしますますテンションダウン。
 
 なんとか早坂さんの所に到着、冷たい飲み物を出していただきホッと
一息つくことができ感謝感謝です。
 早速研ぎあがった脇差を見せていただいたのですが、
 「おもしろい刀ですよ、ものすごく派手な刃紋がでてきました。これだけ
の刀が無銘なんてねぇ。」
 “えっ。”と思い叔父が見ている脇差を隣で拝見させていただいたので
すが。
 なんということでしょう!!地鉄は板目で刃文は大湾れ、濤瀾刃のよ
うな印象をうける派手派手な感じ。
 京都、大阪あたりの新刀のような感じとのことですが、いや見事な脇差
です。
 叔父の家に代々伝わってきたというだけのことはある脇差です。
 さっきまでのテンション低い状態から一気にテンションアップ!
 無銘ながらいい脇差、研ぎにだしたかいがあったというものです。
 この脇差、叔父の家で伝家の宝刀として大切にされていくことでしょう。