お金に歴史あり。

 ユーチューブで5円玉を磨いてピカピカにするという動画を見て、面白そうだから

自分でもやってみようと思ってしまいました。

 しかしそういう時に限って5円玉が無い。

 どうしよう、そうだあのお金を使ってみよう。

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 ちょっと汚い五十銭銀貨、本物ですよ!

 こんなのが10数枚ありまして、その中の2枚を磨いてみます。

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使用した金属磨きです。

 とにかくひたすら磨きました、ぼろ布にこの金属磨きをつけてこれでもかと。

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 キレイになったでしょう!!
 でも良い子の皆さんは古銭を金属磨きなんかで磨いちゃだめですよ。

 価値を落としますからね。

 この五十銭銀貨、私が学生の頃に亡くなった祖父の物なのです。

 元々祖父は東京に住んでおり、戦後仙台に引っ越してきました。

 そしてこの五十銭銀貨ですが、戦時中に自宅の防空壕に保管していたのが空襲にあい

火を被ったものだそうです。

 どうせ火を被ったモノだからこの際徹底的に綺麗にしてやろうと思い、磨いてみま

した。

 祖父の話でついでにもう一つ。

 祖父は東京で公務員、戦後仙台に来てからも公務員をしておりかなりの上級職だった

ようです。

 その祖父が誇りにしていたのが、戦前、天皇陛下随行員だったことがあることでし

た。

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 昭和十年の満州国皇帝訪日時に饗応施設団の一員だったようです。

 当時は東京市と言っていたのですね。

 そして多分その時、なにがしかの手当をいただいたのでしょうが、そのお金を

           “天皇陛下から頂いたお金。”

 として生涯大切にしていました。

 

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大正兌換銀行券1円。ピン札です。

 日本貨幣カタログで調べてみましたところ、未使用の状態でもそれほどの値段は

ついていませんでした、残念。

 市場に出てしまえばそれほど貴重ではないお金ですが、私にとっては我が家の歴史

のワンシーンを形作るお金です。

 若いころはこれらのお金を見ても特に感慨など無かったのですが、この歳になって

祖父の気持ちが少しだけ分かるような気がします。